成人式では、母親が約30年前に着た「ママ振袖」を着用するケースも少なくありません。近年注目が高まっているママ振袖ですが、
「30年前に流行したデザインの振袖って古臭くない?」
「そもそも30年前の着物ってまだ着られるの?」
と不安に思う方も多いはず。
今回は「30年前の振袖」について、当時の流行や昔の振袖を着るときに確認すべき項目などについてくわしく解説します。
- 振袖の流行をおさらい!30年前に流行した振袖の特徴は?
- 30年前の振袖ってまだ着られるの?
- 30年前の振袖を着る前に!確認すべき6つのチェックリスト
- 30年前の振袖を今っぽく!コーディネートポイント3選
30年前の振袖もコーディネートのポイントをおさえることで、今っぽくおしゃれに着こなすことができますよ。
成人式でママ振袖の着用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
振袖の流行をおさらい!30年前に流行した振袖の特徴は?
「着物には流行がない」と聞いたことがある方も多いと思いますが、実は振袖も年代ごとに流行のテイストやデザインが微妙に異なります。
30年前はどんなデザインの振袖が流行したのでしょうか?振袖の流行の歴史と併せてみていきましょう。
振袖の流行の歴史
まずは振袖の流行について、年代ごとにまとめました。
【振袖の流行の歴史】
- 1980年代(約40年前)
洋花などをデザインした洋モダンテイストや大正レトロが流行 - 1990年代(約30年前)
暗い色目のダークな雰囲気の振袖が流行 - 2000年代(約20年前)
ギャルブームで黒地のラメ入り振袖やバラなどの洋柄振袖が流行 - 2010年代(約10年前)
大正ロマン風などのレトロモダン振袖が流行
やさしい雰囲気の古典柄振袖が人気を博し定番化へ - 2020年代(現在)
ドライフラワーのようなくすみカラー振袖の流行がはじまる
白・ベージュ系カラーに金彩加工の振袖が流行
振袖の場合、洋服ほど大きな流行の変化はありませんが、時代によってトレンドのデザインに多少の変化が見られます。
ただし、基本的にはどの年代においても「古典柄の振袖」が定番人気であることには変わりがありません。
30年前に流行した振袖の特徴
今から30年前は「ダークな印象の振袖」が流行しました。
黒や紫などのダークトーンの振袖に、シックな帯を合わせて暗い色目でまとめるかっこいい系の振袖コーディネートが大流行。
ダークな雰囲気の振袖は「平成ロマン」と呼ばれ人気を博しました。
トレンド振袖とともに、定番の「古典柄振袖」も変わらず人気を集めました。
30年前に多く出回った古典柄振袖は、大きめの柄が数個配置されたデザインが主流。
たとえば大きめの鶴や扇、松などのモチーフが振袖の胸元・上前・両袖にぽんぽんと描かれた古風なデザインが多く見られました。
古典柄をモダンにアレンジした現代の古典柄振袖と比べると、30年前の古典柄振袖には少しレトロな印象をもつ方もいるかもしれません。
さらに30年前は、型を上手に使い、コストダウンが可能になった振袖が出回りはじめた時代でもあります。
子どもが多い時代だったこと、レンタル振袖がほとんどなく振袖を購入するのが当たり前だった時代背景もあり、なるべく安価に大量生産できる振袖が増えていきました。
30年前に流行した振袖の特徴を以下にまとめました。
【30年前に流行した振袖の色柄】
- ダークテイストな振袖
- 定番の古典柄振袖(大きめの柄が数個配置)
【当時多く出回った振袖の製法】
- 職人の手作業による高品質な振袖
- 友禅技法を残しつつもコストダウンを可能にした型を使用した振袖
ママ振袖の相談で持参される30年前の振袖は、たいていいずれかの特徴をもっています。
30年前の振袖ってまだ着られるの?
洋服を基準に考えると「30年前の振袖って今でも着られるの?」と不安に感じる方も多いことでしょう。
しかし振袖をはじめとする着物の場合、30年経っても問題なく着られることがほとんどです。
洋服と違い30年前の着物は全然古くない!
振袖は洋服とちがい、30年前のものが「古くて着られない」ということはほとんどありません。
30年前のママ振袖を着る予定の方もどうか安心してください。
振袖をはじめとする着物は、洋服ほど流行の影響を受けません。
とくに振袖は基本デザインが「古典柄」なので、年代ごとに多少色合いやテイストにちがいがあってもまったく問題なく着用することができます。
職人の手仕事による高品質な振袖も多い
30年前の振袖のなかには、職人の手仕事による高品質な振袖も多く見られます。
30年前は職人の手作業による上質な振袖が多く作られていたため、ママ振袖のなかにも高品質な振袖が多く見られます。
昔は振袖の支度に力を入れる家庭が多かった時代でもあり、なかには振袖一式を数百万円かけて誂えたという例も。
上質な古典柄の振袖は古さを感じさせず、数十年たっても美しく着こなすことができます。
生地も丈夫なので、きれいに保管されている場合はそのままの状態で問題なく着用することができます。
一方で、30年前の振袖のなかには低コスト&量産タイプの振袖も見られます。
30年前の安価な振袖は、生地や加工の質が悪いこともあるので注意が必要です。
たとえば久しぶりに振袖を広げてみたら、柄の箔が剥がれてボロボロになっていた、ということも。
30年前のママ振袖をお持ちの方は、振袖の状態を早めに確認するのがおすすめです。
状態が悪い振袖もお直しすることで着られる可能性は十分にあります。
30年前の振袖を着る前に!確認すべき6つのチェックリスト
成人式で30年前の振袖を着る前に、以下の6つの項目を確認しておきましょう。
【30年前の振袖を着る前に!確認すべき6つのチェックリスト】
- 着る本人の意思を確認
- サイズが合うか
- シミやカビがないか
- 足りない小物がないか
- 前撮りをどこで撮るか
- 成人式当日の着付け&ヘアメイクの予約をどうするか
①着る本人の意思を確認
30年前のママ振袖の着用については、着る本人の意向をよく確認したうえで話を進める必要があります。
ママ振袖相談で来店される方のなかには、着る本人と母親(祖母)との間に気持ちの温度差があるケースもよく見受けられます。
母親や祖母の「娘(孫)に思い出の振袖を着て欲しい」という気持ちが強すぎた結果、お嬢様が遠慮して本当に着たい振袖を着られずに成人式後に後悔した、という声も。
成人式の主役はあくまで娘さんです。
30年前の振袖が手元にある場合も、家族でよく話し合って本人の意向を確認してからママ振袖相談へ行くのがベストです。
②サイズが合うか
30年前の振袖を着用する場合、振袖が着る本人のサイズに合っているかも事前に確認が必要です。
ママ振袖は、お母様とお嬢様の身長差が「プラスマイナス5cmまで」ならサイズ直しなしでそのまま着用が可能です。
5cm以上の身長差がある場合寸法直しが必要となるので、早めに振袖専門店へ相談に行きましょう。
母娘で身長差が大きい場合でも、10cm以内であればサイズ直しをすることでママ振袖を着られる可能性も。
ぜひ一度振袖専門店に相談してみてください。
③シミやカビがないか
30年前の振袖を着るときは、早めに箪笥から出してシミやカビがないかチェックしておきましょう。
何十年も箪笥にしまったままの振袖は、昔の汚れがシミになっていたり湿度の影響でカビが発生していることがあります。
ママ振袖の相談に着たお客様のなかには、湿度の高い部屋で長期間保管していたことで振袖全体に白いカビが出てしまっていたケースも。
30年前の振袖は、時々箪笥から出して振袖全体を確認してみてください。
もしシミやカビが見つかったときは、早めに振袖専門店に相談するのがおすすめです。
④足りない小物がないか
30年前の振袖を着るにあたり、必要な小物がそろっているかも確認が必須です。
箪笥に振袖・帯・長襦袢の一式が保管されていても、細かな着付け小物までは残っていないケースも多々あります。
振袖は小物がひとつでも足りないと美しい振袖姿が完成しないので、振袖に必要な小物リストを見ながら買い足しが必要な小物をチェックしてみましょう。
振袖を着るときに必要なもの一覧は、以下の記事を参考にしてみてください。
<参考記事>
【成人式】振袖を着るときに準備するものは?当日あると便利なアイテムやおすすめの身だしなみポイントも紹介
⑤前撮りをどこで撮るか
30年前の振袖を着るにあたり、成人式の前撮り撮影をどこでするかも考える必要があります。
ママ振袖の主な前撮り撮影方法は以下の3つです。
- 写真館・フォトスタジオ
- 出張撮影
- 振袖専門店
振袖専門店によっては、前撮り撮影がセットになったお得な「ママ振袖プラン」を案内してくれるお店も。
せっかくママ振袖の相談に行くなら、前撮り撮影がプランに含まれたお店を選ぶのもひとつです。
30年前の振袖着用での前撮りもおまかせ!花てまりのママ振袖プラン
⑥成人式当日の着付け&ヘアメイクの予約をどうするか
30年前の振袖を着るときは、成人式当日の着付け&ヘアメイクの予約も自分でする必要があります。
成人式当日の着付け&ヘアメイクを予約する際は、以下の4つの方法があります。
- 美容室
- ホテル
- 出張着付け&ヘアメイク
- 振袖専門店
振袖専門店によっては、ママ振袖の相談者向けに成人式当日の着付け&ヘアメイクを特別価格で手配してくれるところも。
自分で成人式当日の美容室などを予約するのは手間なので、ママ振袖プランに成人式当日の着付け&ヘアメイクが含まれたお店を選ぶと安心です。
成人式当日の着付け&ヘアメイクも特別価格でご案内!花てまりのママ振袖プラン
<参考記事>
成人式の着付け持ち込み先や相場価格は?持ち込みで前撮りする方法や注意点も解説
30年前の振袖も今っぽく!コーディネートポイント3選
30年前の振袖をおしゃれに着こなすには、振袖コーディネートが大切なポイントです。
30年前のママ振袖も、ポイントをおさえることでぐっと今っぽく着こなすことができます。
【30年前の振袖も今っぽく!コーディネートポイント3選】
- 帯と小物でイメージチェンジ
- 帯結びを現代風にアレンジ
- 草履バッグは新調がおすすめ
①帯と小物でイメージチェンジ
30年前の小物を着るときは、合わせる帯と小物を変えることでまったくちがったイメージになります。
とくに振袖姿では帯に多くの視線が集まるので、帯の色柄を変えるだけで振袖全体の印象が見違えます。
上品にかわいらしく着こなしたい場合は振袖と同系色の帯、かっこよく華やかに着こなしたいときは反対色の帯など、なりたいイメージに合わせて帯を選びましょう。
帯締めや帯揚げなどの小物もイメージチェンジの重要ポイントです。
小物ならトレンドの色柄を手軽に取り入れることができるので、ぜひ新しく選びなおしてみてください。
とくに顔回りの小物で印象が変わりやすいので、半衿や重ね衿からトレンドのアイテムをチョイスしてみてください。小物によってはレンタルすることも可能です。
<参考記事>
成人式の振袖小物もレンタルが人気!料金相場やレンタルの注意点を解説
②帯結びを現代風にアレンジ
30年前の振袖を着るときは、帯結びを現代風にアレンジするとぐっと今っぽい雰囲気になります。
振袖は華やかな帯結びが魅力のひとつ。
後ろ姿を華やかに彩る帯結びに流行のアレンジを取り入れることで、トレンド感のある振袖姿がかないます。
トレンド人気の帯結びアレンジを3つ紹介します。
キュートなリボン風の帯結び
大きめの羽根の豪華な帯結び
すっきりボリュームをおさえたスタイリッシュな帯結び
帯結びはさまざまな形にアレンジ可能なので、なりたいイメージに合わせて好みの帯結びを見つけてみてください。
③草履バッグは新調がおすすめ
30年前の振袖を着るとき、草履バッグは新調するのがおすすめです。
振袖の草履バッグは、振袖小物のなかでも経年劣化の影響を受けやすいアイテムです。
長期間保管していた草履バッグは歩くのが難しいほど劣化していることも。
成人式当日に昔の草履バッグを履いた方で、歩いている内に草履の台がめくれてしまったケースもあります。
30年前の振袖を着用するときも、草履バッグだけは新しいアイテムに新調することをおすすめします。
トレンド感のある自分好みの草履バッグを選ぶことで、成人式に向かう気分も上がりますよ。
振袖専門店によっては草履バッグのみのレンタルも可能です。
<参考記事>
成人式では草履バッグもレンタル可能!料金相場と注意点や人気の草履バッグも紹介
まとめ
今回は「30年前の振袖」について、当時流行した振袖の特徴や30年前の振袖を今も着られるか、着るときに確認すべきチェックポイントなどについて解説しました。
30年前の振袖も、色柄や状態によっては今もまったく問題なく着用することができます。
ただし状態やサイズの確認が必要なので、一度振袖専門店で「ママ振袖相談」をするのがおすすめです。
振袖専門店・花てまりでは30年前の振袖についてご相談いただける「ママ振袖プラン」をご用意しています。
30年前の振袖のコーディネートはもちろん、成人式当日の着付けヘアメイクや前撮り撮影まですべてサポートさせていただきます。
30年前の振袖をまだ着られるかでお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。