成人式で着用した振袖の「保管方法」については、難しそうなイメージで不安に感じている方も多いことでしょう。
手間のかかりそうな着物の保管ですが、できるだけ簡単にきれいな状態をキープしたいですよね。
今回は、振袖の保管方法をはじめての方にもわかりやすく解説します。
- 振袖を着た後はどうすればいいの?保管方法の順序
- レンタル振袖を返却するときは畳まないとだめ?
- これだけ覚えればOK!振袖をきれいに保つ保管方法のポイント3つ
- 【豆知識】なるべく楽ちんな振袖の保管方法のコツとおすすめのアイテム
- 「振袖用の小物」もきれいにキープ!保管方法の注意点
レンタル振袖を返却するまでの保管方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
振袖を着た後はどうすればいいの?保管方法の順序
振袖を着た後の保管方法は、振袖を購入した方もレンタルした方にとっても気になるポイントです。
「振袖の保管方法の順序」について、購入・レンタルそれぞれの場合に分けて解説します。
購入した振袖の場合
【購入振袖の保管方法の順序】
- 陰干しして湿気を飛ばす(半日~1日程度)
- しみや汚れがないか確認する
- しみや汚れがある、または1年以上着る予定がない場合はお手入れに出す
- 着物保存剤などと一緒にタンスや衣装ケースに入れて保管
振袖を脱いだ後は、なるべく早く着物ハンガーにかけて陰干しをしましょう。
着用時の汗などの湿気をとばすことで、保管中のカビの発生を防止することができます。
半日~1日程度陰干しをした後は、しみや汚れがないか振袖全体を確認してください。
衿、袖の下部分、裾がとくに汚れやすい部分です。
全体をチェックしてしみなどがなければ、振袖を畳んで購入時のたとう紙に入れタンスや衣装ケースに入れて保管します。
畳み方がわからない場合は、YouTubeなどの動画を見ながら行いましょう。
保管の際は防カビ、防虫効果のある保存剤と一緒にしまうのがおすすめです。
→ 着物保存剤そうび
振袖にしみなどがあればお手入れに出します。
1年以上振袖を着用する予定がないのであれば、しみがなくてもお手入れに出しておくのがおすすめです。
お手入れから返ってきた振袖は簡易的なたとう紙に入れられているため、振袖購入時に入っていた質のよいたとう紙に入れ替えて保管しましょう。
詳しい保管方法については後述します。
レンタル振袖の場合
【レンタル振袖の保管方法の順序】
- 着用後の振袖を簡単にきれいにまとめる
- 草履の裏側に土や泥がついている場合は落とす
- 振袖一式を借りたときの袋や入れ物に入れる
- 期日までにお店に返却
レンタル振袖の場合は、成人式で着た後なるべく早めに返却するのがおすすめです。
お店によって「成人式後2日以内に返却」など返却期限が決まっているので、契約内容をよく確認してください。
返却するまでは、汚れたり濡れたりする心配のない場所に振袖を保管しておきましょう。
振袖のしみや汚れなどは店舗側で確認してくれるので、着用後は簡単にまとめて返却すればOK。
借りたときの袋や入れ物に振袖一式を入れてお店に持っていきましょう。
草履の裏側に土や泥がついている場合は、汚れを落としてから返却するのがベスト。
ほかにも汚れたものがあれば透明の袋に入れるなど、汚れが広がらないようにほかのものと分けておくのが返却時のマナーです。
レンタル振袖を返却するときは畳まないとだめ?
着物が日常着ではない現代は、振袖をたためない方はかなりの割合でいらっしゃいます。
振袖をレンタルした方の中には「振袖は借りたときのようにきれいに畳んで返さなくては」と気にされる方も。
結論から言うと、返却時はレンタル振袖をきっちり畳まなくてOKです。
レンタル振袖の場合、返却後に汚れなどがないかお店のスタッフが全体をチェックします。
すぐに振袖を広げるので、きちんと畳まれていなくてもまったく問題ありません。
ただし振袖は丸めるとしわになってしまうので、洋服をたたむように線にそって振袖を折り畳んでまとめるのがよいでしょう。
まとめた振袖は袋や入れ物に入れて返却すれば完了です。
借りたときのようにきれいに畳まれた状態で返そうと思うと、振袖の畳み方を調べたり練習したりと手間がかかります。
なんとなくきれいにまとめた状態で返却すればよいことを覚えておくと、気分が楽になるかもしれません。
これだけ覚えればOK!購入した振袖をきれいに保つ保管方法のポイント3つ
成人式に購入した振袖は、次に着る機会に備えてきれいな状態で保管したいものです。
着物の保管は難しく感じるかもしれませんが、以下の3つのポイントをおさえればきれいをキープできます。
- 着用後の振袖は着物ハンガーにかけて陰干しする
- 1年以上着ない場合は汚れてなくてもお手入れに出す
- 振袖は年に1度タンスから出す(虫干し)
①着用後の振袖は着物ハンガーにかけて陰干しする
着用後の振袖は、着物ハンガーにかけて半日~1日陰干しをしましょう。
風通しのよい場所で陰干しをすることで着用時の汗などの湿気がとび、保管中のカビの心配が少なくなります。
脱いだ後すぐに干すことで、着用時のしわも伸びて◎。
同様の理由から、振袖だけでなく長襦袢や帯もハンガーで陰干しするのがおすすめです。
着物ハンガーにかけた振袖は、かならず2~3日以内におろしましょう。
ハンガーにかけっぱなしにしておくと型崩れの原因になるので、長期間干しておくことはおすすめしません。
②1年以上着ない場合は汚れてなくてもお手入れに出す
振袖を次に着る機会が1年以上ない場合は、汚れていなくてもお手入れに出しましょう。
振袖着用後は、ファンデーションの汚れなど目立たない汚れがついている場合があります。
見えない汚れが後からひどいしみになることがあるので、振袖を長期間保管する前には念のためお手入れに出しておくと安心です。
例として、お母様が着たママ振袖を久しぶりに出したらしみだらけになっていた、ということも。
着用後に適切なお手入れをすることで、後からしみになるケースを防ぐことができます。
着用後の振袖のお手入れは、成人式が終わって落ち着いた2月頃にお店に持参する方が多いです。
とくに長襦袢は着用時に汗をたくさん吸っているため、そのまま保管してしまうと後々しみになる可能性が高いです。
長襦袢も振袖と一緒にお手入れに出しておくのがおすすめです。
③振袖は年に1度タンスから出す(虫干し)
振袖の保管中は、年に1~2度はタンスから出すこと(虫干し)をおすすめします。
「虫干し(むしぼし)」は、着物や帯の湿気をはらい、害虫をのぞき、しみの点検をする目的で昔から行われてきました。
虫干しの方法は、日の当たらない場所に振袖や帯を裏返しにして着物ハンガーで干します。
タンスから振袖を出すことで、こもった湿気がとび、カビの防止につながります。
保管中の振袖は、空気の乾いている時期に少なくとも年に1度は外に出し、風を通すのがおすすめです。
【豆知識】なるべく楽ちんな振袖の保管方法のコツとおすすめのアイテム
振袖をきれいな状態で保管するためには、年に1~2回の「虫干し」がポイントです。
しかし、忙しい現代では振袖をタンスから出してハンガーにかけて、また畳んで..という手間と時間はかけにくいのが実際のところです。
「なるべく手間をかけずに振袖をきれいに保管したい!」という方に向けて、以下の方法をおすすめします。
【簡単な虫干しの方法】
- タンスから出して振袖のたとう紙を開けておく
- 振袖の入った段のタンスを開けておく
振袖をハンガーにかけて陰干ししなくても、振袖のたとう紙を開けておくだけでも湿気をとばす効果があります。
たとう紙を開ける際は、なるべく風通しがよく日の当たらない場所に置きましょう。
それも大変な場合は、空気の乾燥した時期に振袖の入った段のタンスを開けておくだけでもOKです。
簡易な虫干しの方法でもやるのとやらないのとでは大ちがいなので、ぜひ試してみてください。
「振袖用の小物」もきれいにキープ!保管方法の注意点
振袖を着用した後は、振袖だけでなく小物の保管方法にも気を配りましょう。
振袖の小物の中でも「草履」と「髪飾り」はとくに保管する際に注意が必要です。
草履の保管は湿度と温度がポイント
草履を保管する際は、高温多湿を避けて保管するのがポイントです。
草履を履いた後は、まず裏面の土や泥をきれいに落としましょう。
その後、裏の湿気をとるため草履を立てて半日~1日程度陰干しするのがおすすめです
。陰干し後は柔らかな布で表面を拭いてから保管します。
合皮の草履は温度や湿度が高いところで保管していると表面がベタついてくることも。
涼しい部屋で保管することで、草履の劣化をおさえることができます。
髪飾りは暑い部屋で保管しない
振袖に合わせた髪飾りは、風通しのよい涼しい部屋で保管するのがおすすめです。
髪飾りには接着剤を使っているため、暑すぎる部屋で保管すると新品であっても接着剤部分が溶けてしまう可能性があります。
金箔を使ってる部分も同様に溶けることがあるので、保管場所には注意が必要です。
とくにベッドの下に収納する場合は要注意。
ベッド下は湿気がこもりやすいので、髪飾りが劣化しやすくなります。
髪飾りはタンスの上のほうなどなるべく高い場所(位置)に保管することをおすすめします。
トレンドのドライフラワーの髪飾りは散りやすいので注意
くすみカラーの振袖に合わせて人気のドライフラワーの髪飾りは、繊細な花材なので保管にはとくに注意が必要です。
ドライフラワーの髪飾りは保管状態が悪いと花びらが散りやすいので、高温多湿を避けて保管しましょう。
風通しのよい涼しい部屋に保管することで、髪飾りをきれいな状態で長持ちさせることができます。
まとめ
今回は気になる「振袖の保管方法」について、保管の順序や簡単に保管するコツなどを解説しました。
難しそうに思える振袖の保管ですが、ポイントをおさえることで振袖を長期間きれいな状態に保つことができます。
ぜひ参考にしてみてください。
振袖専門店・花てまりでは、購入した振袖の着用後のお手入れも承ります。
花てまりでご購入・ガード加工を承った振袖・帯・長襦袢は、着用後のお手入れが無料になるサービスも。
そのほか振袖の保管方法についてわからない点があれば、振袖の知識豊富なスタッフまでお気軽にご相談ください。