知っておきたい家族にとって
大切な成人式のこと
成人を祝う儀礼は古くからありました。その始まりとされるのは、奈良時代に男子の成人を示す儀式として行なわれた「元服(げんぶく、げんぷく)」と言われています。数え年で12〜16歳の男子が氏神の社前で服や髪型を大人のものに改め、冠を付けてもらう式です。
平安時代には、成人した女子にも着物や化粧を大人のものに改める「裳着(もぎ)」という儀礼が行なわれるようになりました。
成年を祝う風習が今の成人式のような形になったのは、戦後の1946年11月に、埼玉県北足立郡蕨町(現在の蕨市)で実施された「青年祭」がルーツだと言われています。
敗戦による暗い世相の中、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますため、当時の蕨町青年団長・高橋庄次郎(後の蕨市長)が主唱者となり青年祭を企画。会場にテントを張り、そのプログラムのひとつとして「成年式」が行われたそうです。
これに注目した日本国政府は、「大人になったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝い励ます」という趣旨のもと、1949年から1月15日を「成人の日」として祝日に制定。それ以降、多くの地方でこの日に成人式が行なわれ、20歳に達した若者を祝うようになったのです。
振袖は長い袖を振るということで、魔を払うという意味を持っていると言われています。病気や厄に憑りつかれることなく人生を歩んでほしいという願いも込められているのです。
時代の流れとともに今はあまり聞かない話にはなっていますが、長い物は縁起が良いと言うとこともあり、数えで19歳(満18歳)の厄年より前に着物や帯などを準備しておくという習慣などもありました。
現在でもそのような事を知っている方は、厄払いと祈願の意味を込めて高校3年生の受験の際に振袖を準備される方も多いです。
女性の厄年の年齢は以下のようになっています。厄年は満年齢ではなく、数え年で数えます。満年齢から一つの引いた年齢が数え年です。
前厄(数え年) | 本厄(数え年) | 後厄(数え年) |
---|---|---|
18歳 | 19歳 | 20歳 |
32歳 | 33歳 | 34歳 |
36歳 | 37歳 | 38歳 |
60歳 | 61歳 | 62歳 |
※数え年で表記しています
今も昔も成人するということは、お嬢さまにとっても、ご家族の皆様にとっても大変意味のあるものです。お嬢さまがお生まれになってから「初宮参り」「七五三」の儀式や、「入学」「卒業」などの行事があったと思います。
お嬢さまが大人の仲間入りをする為に、いろんなことにチャレンジして来たと同時に親御さんも一緒に成長し、乗り越えてきた20年間の節目が成人という儀式はないでしょうか。
成人式は懐かしいお友達と会うという同窓会のような楽しい行事ではありますが、もしご家族で過ごす時間が取れるようであれば、昔のように「家族の儀式」として、お嬢さまの成長を祝い、今後の長寿と幸福の祈願を行っていただくのも良いかもしれません。
「初宮参り」「七五三」と同じように、ご家族でご成人お祝いをしてもらえるように、今でも各地域の神社では「成人のご祈祷」を行ってもらえます。
生まれてから初めて神社にお参りする「初宮参り」、健やかな成長を祈る「七五三詣」、大人の仲間入りをし新たな門出をお祝いする「成人式」、日本人は人生の様々な節目で神様にお祈りを捧げてまいりました。
こちらはほんの一例です。ご自宅お近くの神社でも「成人のご祈祷」「厄除け開運のご祈祷」は行われています。